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相続人の確定
相続順位と法定相続分
相続人となれるのは「血族相続人」と「配偶者相続人」のみと定められています。相続の特記事項
遺言を破棄、隠匿したり、相続に関して犯罪を犯した者は相続できない。
※ただし、代襲原因となる(欠格者に子がいれば代襲相続できる)
被相続人に対して、生前に虐待・重大な侮辱・著しい非行があり、裁判所への申立てにより廃除が認められた場合に相続人から除外されます。
※ただし、代襲原因となる(欠格者に子がいれば代襲相続できる)
親の相続開始前にその子に相続が発生した場合、その孫が相続人の地位を承継します。
- 前記の「相続廃除」や「相続欠格」に該当した者は相続する権利を失うが、その者の代襲相者は相続することができます。
- 前項と比較し、「相続放棄」した者の子は代襲相続人とはなりません。そもそも相続放棄した者に相続人の地位がないためです。
- 第3順位の兄弟姉妹の子も、代襲相続人となれますが、甥、姪まで(1代のみ)しか代襲は認められていません。
※直系卑属(子→孫→ひ孫・・・)については何代でも代襲相続が可能です。
よく、お家の事情で普通養子を置くケースは多いといえます。
- 養子は、養子縁組届が受け付けられた日から、養親の嫡出子となります。
- 養子縁組届には、2人の証人が必要ですが、市区町村長の形式的審査のみで、実質的審査にまで及ぶことはありません。
- いったん養子にすると、例えば将来不仲となったときなど、原則、養親と養子の合意がない限りは、養子関係を解消できませんので、普通養子縁組するときは、十分に検討する必要があるでしょう。簡単には解消できないということです。
- 普通養子は、実親・養親のどちらからも相続を受けられます。
※特別養子の場合は、実親との相続関係がなくなりますので、養親との相続関係のみとなります。 - 普通養子は、相続税の節税対策として利用されるケースがあります。ただし、税法上カウントされる養子の数には制限がありますので、節税対策だからと何人も養子にすることには問題があり、また、その養子は、実子同等の相続権を取得することとなりますので養子縁組には慎重を期すべきでしょう。
- 将来、相続が開始した場合に、被相続人の孫を養子にしているような場合で、実子である子を飛び越えてその孫である養子に財産が承継された場合は、相続税法上の「2割加算」の対象となりますので注意が必要でしょう。
両親が婚姻関係にない場合に生まれた子のことをいいます。
- 相続関係を発生させるには、父子関においては、認知することで非嫡出子となりますが、母子間においては、出産の実情があるので認知せずとも自動で非嫡出子の身分となります。
- 相続分は嫡出子(実子・普通養子)の半分です。
※ただし、嫡出子の相続分と同じにすべきとの法改正も検討されており、ゆくゆくは同等に変更される可能性もあるでしょう。
相続人となる人、ならない人の一覧表
相続人となる者 | 相続人とならない者 | |
子 | ・実子(嫡出子、非嫡出子、胎児) ・養子 | ・認知されていない子 ・配偶者の養子 ・事実上の養子 ・子の配偶者 |
直系尊属 | ・実父母 ・父方の祖父母、曾祖父母 ・母方の祖父母、曾祖父母 ・養父母 ・養父方の祖父母、曾祖父母 ・養母方の祖父母、曾祖父母 | ・配偶者の尊属 ・叔父、叔母 |
兄弟姉妹 | ・兄弟姉妹 | ・配偶者の兄弟姉妹 ・兄弟姉妹の配偶者 ・従兄弟姉妹 ・親の配偶者の連れ子 |
配偶者 | ・妻(夫) | ・内縁の妻(夫) ・先妻(夫) |
戸籍等を収集しましょう。
相続の手続きをすすめるために、まずは戸籍等の収集を行なうことが最優先となります。一般的に取得の必要がある書類は以下のようなものがあげられます。
被相続人の出生~死亡までの除籍・原戸籍 被相続人の(除)住民票除票(必要に応じて(除)戸籍の附票) 相続人全員の戸籍謄本 相続人全員の住民票 相続人全員の印鑑証明書 固定資産税評価証明書(状況に応じて名寄台帳) |
相続人を確定させましょう。
前記①の被相続人の出生~死亡までの除籍・原戸籍を取得すると、その被相続人に生殖能力が備わって以降のすべての籍情報を確認することができます。これによって、婚姻の有無・実子の有無・養子の有無・兄弟姉妹の有無などの全ての情報を確認していくことで、相続人を特定していくことになります。
さらに、戸籍・除籍・原戸籍を読み取っていくことは、一般的には簡単なことではありません。相続人の特定に漏れがあり、せっかく行なった遺産分割が無効になってしまい、遺産分割をやり直すケースや、相続税の申告期限に間に合わず、納税猶予・物納ができないなどの問題が発生しないよう、漏れのないよう相続人の確定をすることは非常に大切です。
また、戸籍の収集をしてみたところ、過去に親が離婚しており、前妻との間にできた異母兄弟がいることが分かったケースや、普通養子をもらっており、知らない人が相続権を持っていたなど、思いもしなかった事実が発覚するケースもあります。